最初が大事!失敗しない犬の歯磨きの始め方

人間との違い

人間と犬の歯の違いですが、犬の方がムシ歯にはなりにくいのですが、歯周病にはなりやすいという特性があります。

 

一般的なムシ歯と歯周病の違いについてですが、前述の通り、ムシ歯は、ムシ歯菌が増殖して、酸がエナメル質や象牙質などを溶かす症状です。対して、歯周病は、歯と歯肉の間の歯垢や歯石の歯周病菌が増殖することで、歯肉が腫れたり、歯がぐらぐらするなどの症状になります。歯周病菌の毒素は骨まで溶かしてしまうということでかなり大変です。

 

犬の場合ですと、下顎が骨折しやすくなり、目の下などの皮膚も穴が開いて膿が出てくることもあります。

 

ムシ歯になりにくいというのは、人間とは口中のpHが違うからで、犬は弱アルカリ性なので、ムシ歯菌が繁殖しにくくなっています。歯の形も尖っているので、ムシ歯菌も付着しにくいということもあります。

 

では歯みがきをさせる必要はあるのか?と思うかもしれません。確かに口中が弱アルカリ性なので、ムシ歯にはなりにくいのですが、歯石は逆にできやすい環境なのです。歯石ができるスピードも人間の約5倍とされています。人間では食べ物を口に入れてから約25日かかるのに対し、犬は何と3日~5日で歯垢は歯石になってしまうのです。これをそのままにしておけば、やはり歯周病になってしまいます。

 

ある研究報告ですが、心臓疾患の一つとなる僧帽弁閉鎖不全症(犬に多い)で死んだ犬を解剖して遺伝子学的に調査したところ、心臓の弁からは歯周病菌と同じ菌が発見されているとのことです。歯周病菌がこの病気と関連していないとは考えにくいわけです。

 

歯周病菌を培養して、重度の歯周病の犬の血液と比較しても、同じ菌が見つかっています。つまり、歯周病菌が体に入って、全身を回っているわけです。歯のトラブルと軽く見るのは危険なのです。

 


page top